新生児(生後11日)の息子が噴水状に嘔吐し、救急外来を受診したらそのまま入院になってしまいました。
私は看護師で、噴水状嘔吐が特徴的な「幽門狭窄」という病気を疑っての受診でした。
しかし入院して検査をしてみるとミルクアレルギー(消化管アレルギー)だろうと言われました。
当記事では、ミルクアレルギー (消化管アレルギー)の症状や入院・検査、治療の体験談を記します。
もくじ
ミルクアレルギー(消化管アレルギー)の症状
ミルクアレルギーの症状には以下のようなものがあります。
- 嘔吐
- 下痢
- 発熱
嘔吐
アレルギーは特定の成分を受け付けないわけですから、ミルクアレルギーの場合「嘔吐」することがよくあります。
しかし赤ちゃんは消化管の機能が未熟なため、通常でもよく嘔吐します。
わたしが嘔吐という症状だけで救急外来を受診したのは、「噴水状」だったからです。
看護師であるわたしはすぐに「肥厚性幽門狭窄」を疑いました。
噴水状の嘔吐が特徴的な病気です。
・どんな風に(噴水状になど)
・どんな性状で(色など)
・どのくらい嘔吐したか
を記録しておくと問診時の参考になります。
下痢
アレルギーによってうまく消化できないために下痢になることがあります。
息子の場合は、下痢症状はみられませんでした。
発熱
ミルクアレルギーによる発熱は、高くても38.5℃くらいまでです。
それ以上になる場合は重症感染症や髄膜炎を疑います。
息子は嘔吐した時点では熱はなかったものの、救急外来で測ったら38.0℃あって驚きました。
新生児の発熱(38.0℃以上)は即入院
新生児はお母さんからの免疫を持っているため、発熱しにくいとされています。
そのため、新生児が発熱した場合には重篤な何か(感染症や髄膜炎)を疑うため、即入院となることが多いです。
救急外来到着時に38.0℃あった息子も、例外なく即入院となりました。
ミルクアレルギー(消化管アレルギー)と診断されるまでの検査
即入院となった息子が、原因特定のために医師に提案された検査は次の通りです。
- 髄液検査
- 腹部エコー
- 血液検査
- 便検査
- アレルギー検査
髄液検査
すでにお話ししたように、新生児の発熱は重篤な病気の可能性があります。
治療が遅れると取り返しのつかないことになるため、早急に検査する必要があります。
そのため救急外来から病棟に移動してすぐ、髄液検査に同意するサインを求められました。
しかしわたしはそれを拒否。
理由はいくつかあります。
- 家から病院までの道中、息子を温め過ぎた自覚あり
- 38.0℃を超えたのは救急外来での1回のみ(一時的な発熱と判断)
- そもそも幽門狭窄を疑って受診した
- 生後11日の息子に痛い検査をさせたくなかった
ぴょり
小児科医
腹部エコー
看護師であるわたしが疑うくらいなので、症状(噴水状嘔吐)を聞いた医師ももちろん「肥厚性幽門狭窄」を疑っていました。
肥厚性幽門狭窄とは胃の一部が狭くなってしまう病気で、エコーで確認することができます。
エコーは痛みを伴う検査ではないため、すぐにお願いしました。
結果として、息子は肥厚性幽門狭窄ではありませんでした。
血液検査
血液検査では炎症反応が出ているか、栄養状態はどうかなど様々なことがわかります。
ミルクアレルギーの場合は、消化不良によって栄養状態を示す値が低下します。
しかし小児科医によれば、
小児科医
とのことでした。
便検査
感染症の疑いもあったため、便の検査を行いました。
すると息子は脂肪便が「3+」
消化不良を起こしている可能性があるとわかりました。
アレルギー検査
ここまで検査し、脂肪便が出ていることから小児科医がひらめいたように言いました。
小児科医
ミルクアレルギーの有無は血液でわかります。
結果は・・・
ミルクアレルギー陰性!
(ミルクアレルギーではない)
では一体・・・!?
ミルクアレルギーではなく消化管アレルギーだった
ここまで散々「ミルクアレルギー(消化管アレルギー)」の話をしてきたので、混乱させてしまうかもしれませんね。
ミルクアレルギーと消化管アレルギーは違います。
しかし症状や治療法がほぼ同じで、一般人向けには区別されないことも多いのでこのように書きました。
小児科医
ミルクアレルギー(消化管アレルギー)の治療
ミルクアレルギーの赤ちゃんは、上の写真のような治療用のミルク(エレンタール)を飲むことになります。
医師の指示通りの濃度に溶き、飲ませます。
市販のアレルギー用ミルクを試す or 退院
エレンタールを飲ませながら入院すること数日。
医師から2つの選択肢を提示されました。
- 市販のアレルギー用ミルクを飲ませてみて、経過観察しながらあと数日入院。問題なければ退院し、自宅で市販のアレルギー用ミルクを飲ませる(次回の外来受診は1歳でOK)
- 明日退院し、自宅でもエレンタールを飲ませる(退院後、月1回外来受診)
とにかく早く退院したかったので、自宅でエレンタールを飲ませることにしました。
エレンタールのデメリット
ミルクアレルギーの治療に欠かせないエレンタールですが、デメリットがいくかあります。
不足する栄養度がある
長期的にエレンタールだけを飲んでいると不足する栄養素があります。
しかし一般にミルクアレルギーは生後2~3か月から1歳までには落ち着くことが多く、数ヶ月の服用なら問題ありません。
処方箋が必要だから入手が面倒
市販のアレルギー用ミルクならドラッグストアや通販で手に入りますが、エレンタールは処方箋がないと手に入りません。
しかもエレンタールを置いている薬局は少ない!
わたしは数件ハシゴしましたが、置いてある薬局はありませんでした。
最終的に・・・
ぴょり
と訴え、遠くの問屋から持ってきてもらうことになりました。
そしてその場で2時間待ち。
それでも処方された全ての量は揃わず、後日配送ということになりました。
計量・調乳が面倒
エレンタールは、医師の指示通りの濃度に溶いて飲ませます。
わたしは1回分をスケールで計って紙コップに入れ、さらにタッパに入れて保管しています。
紙コップは、ダイソーの一番小さいサイズがちょうどよくて便利です。
保育園・幼稚園の入園を断られる
園にもよると思いますが、自宅近くの園には「市販のミルクが飲めるようになったら」と断られてしまいました。
入れるつもりでいたのに入れない、ということにならないように確認しておくといいでしょう。
エレンタールのメリット
メリットなんてありませんが、強いて言えば・・・
実質ミルク代がタダということくらいでしょうか。
というのも、子どもの医療費は薬代も含めて全額自治体の負担だったからです。
エレンタールは処方箋が必要な「薬」扱いなので、自己負担はありませんでした。
ちなみに、市販のアレルギー用ミルクはお高いです。
ミルクアレルギーと他のアレルギーの関係
「ミルクアレルギー」と聞いたとき、真っ先に「牛乳は?」と思いました。
医師に聞いてみると・・・
小児科医
とのことでまずは安心しました。
しかしあくまでミルクアレルギーと他のアレルギーが無関係というだけで、アレルギーリスクは他の赤ちゃんと同じです。
ミルクアレルギー(消化管アレルギー)の予後
ほとんどの赤ちゃんが生後2~3か月から遅くとも1歳までに症状が落ち着き、市販のアレルギー用ミルクまたは普通のミルクが飲めるようになるそうです。
息子は今生後2か月で、まだエレンタールを飲んでいます。
発熱や病的な嘔吐もなく、平均より体重も増えて元気に過ごしていますよ!
今後市販のアレルギー用ミルクに移行していく予定なので、続報はこの記事に追記していきますね。
わたしたち親子の体験談を最後までお読みいただきありがとうございました。
同じような赤ちゃんを抱える方の参考になれば嬉しいです。